アメショーブログ 4853『九匹の猫と生きた二十年』91

(10/16)  女帝モモとチビタの関係は相変わらずだった。 チビタの執拗な挑発とモモの威嚇の応酬は、食事タイムでモモがリビングに滞在するたびに繰り返された。 モモの二度目の子離れ開始によって隔離生活を再開したが、もはや猫模様はモモとチビタの不仲に凝縮されていた。 猫社会の在り方に口出しは無用と分かりながら、私はこの…
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アメショーブログ 4852『九匹の猫と生きた二十年』90

(10/15)  一旦腎臓を患うと、長い経口投薬と療法食で注意深く経過を見なければならない。 腎不全になることを、絶対に阻止しなければならないのだ。 現在の獣医学の世界では、猫の腎不全は完治しないと言われている。 透析をする病院はないではないが、費用もかかり、また猫の心身へのストレスを考えた場合、現実的ではないとの主治医…
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アメショーブログ 4851『九匹の猫と生きた二十年』89

(10/14)  コジロの顎に、小さなできものを認めたのも二〇〇八年・十月のことだった。 獣医師に診察してもらったところ、アポクリン腺のう胞とのことだった。 感染もせず、健康にも影響はないとのことで経過観察となった。 年月の経過と共に、コジロののう胞は顎の数か所に広がったが、動物病院外来にてのう胞内の水分を注射器で抜き取…
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アメショーブログ 4850『九匹の猫と生きた二十年』88

(10/13)  手術と入院はモモとハル同時に行った。 子宮摘出とは、つまりは避妊と同じ処置なのだ。 雌猫の避妊処置は入院を要し、また費用も高額なので雄猫の避妊を選択したのだが、結果として三匹の雌猫も避妊処置をすることになった。  ハルとモモの手術も無事に終了し、二匹まとめて退院のために迎えに行った。 子宮摘出手術…
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アメショーブログ 4849『九匹の猫と生きた二十年』87

(10/12)  二〇〇七年・三月に受けた、ハナの子宮蓄膿症のための子宮摘出手術から始まり、クー一族は立て続けに病気を発症し始めた。 ハナの受診時に説明を受けたところ、子宮蓄膿症は遺伝でもなく、また感染ももちろんしない。 あくまでも個体の問題であり、さかりと深く関係していると聞いた。 しかし、ハナの手術から約一年経過…
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アメショーブログ 4848『九匹の猫と生きた二十年』86

(10/11)  受診当初のハナは軽症であり、獣医師の勧めで経口投薬治療を開始したが、経過は思わしくなかった。 ハナの経過を観察する中で、経口投薬では完治はしないことが分かった。 副作用の苦しみもある。 約一年間の遠回りをしたが二〇〇七年・三月、結局ハナは子宮摘出手術を受けることになったのだ。 通常は鉛筆程度の太さ…
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アメショーブログ 4847『九匹の猫と生きた二十年』85

(10/10)  幸いハナは軽症だったので、服薬で様子を見ることになった。 抗生物質と炎症止めの経口投薬だった。 投薬は半年間ほど続いた。 薬が効き、ハナの出血は一時的に止まった。 しかし子宮内や卵管に膿がないかどうかを確認するために、その都度超音波と血液検査が必須となった。 経口投薬の弊害も現れた。 長期…
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アメショーブログ 4846『九匹の猫と生きた二十年』84

(10/9)  モモが大好きなコジロも、ジロのおかげで穏やかに暮らしていた。 タワーの一段目から毎日眺める虫との時間も、コジロを幸せにしたのかもしれない。 チビタの執拗なモモへの興味と、モモの威嚇の嵐も変わらずに時は流れた。 リビングのドアを閉め切った一族分断の生活も、それなりに過ぎていった。  少しずつ不足や不便…
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アメショーブログ 4845『九匹の猫と生きた二十年』83

(10/8)  おっとりとのどかに成長を遂げるコジロに反して、チビタは大胆不敵だった。 一日に数回しかリビングに現れない女帝モモに対して、挑発を始めた。 モモが私の肩の上から食事の定位置である棚の上に降りると、わざわざ棚の下に移動してモモを見つめる。 食事が終わり、タワーのてっぺんで数分間戯れるモモを、タワーの真下か…
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アメショーブログ 4844『九匹の猫と生きた二十年』82

(10/7)  コジロがモモと関わりを持てないことは不憫だったが、父親のジロは優しくコジロを受け止めた。 しかしジロの横にはいつもタロがいる。 奥手でのどかなコジロは、いつもジロの側にいるタロを押しのけてまで、ジロの側に寄ることはしない。 そんな状況を理解しているのか、ジロはひとりで過ごすコジロに定期的に寄り添う時間…
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アメショーブログ 4843『九匹の猫と生きた二十年』81

(10/6)  チビタとコジロが一歳になると同時に、去勢手術をした。 他の雄猫は既に処置をしてあるが、我が家の雌猫たちは去勢をしていない。 毎年春先にはさかりが始まる。 同じ愚を犯してはならない。 既に九匹の一族、これ以上増えることは許容できなかった。 この九匹の生活の安定と幸せを守ることが、私の責任なのだ。 …
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アメショーブログ 4842『九匹の猫と生きた二十年』80

(10/5)  高い場所で眠ることが好きな一族のためにケージも一台残したが、天井部分が曲がってへこんでしまったのもチビタの痕跡だった。 無愛想で単独生活のハナも、たまにタワーのてっぺんに上った。 前脚くるんで座り込んで寛ぐ姿には、感情表現の乏しいハナの喜びが現れていた。 モモはもちろん、タワーに誰もいない時だけてっぺ…
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アメショーブログ 4841『九匹の猫と生きた二十年』79

(10/4)  虫が大好きなコジロは、タワーの一段目が好きだった。 その場所に立ち、開け放たれた窓から虫の飛来を眺めるのが日課となった。 タワー中央の箱に入るのはハルだけだった。 並サイズのハルがほどよく入れる大きさの箱に、巨体化したチビタが到底入れるはずもなかった。 一度だけチビタが箱に入ることを試みたが、身体半…
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アメショーブログ 4840『九匹の猫と生きた二十年』78

(10/3)  九匹となったクー一族と、三人の人間との暮らしは数の上でも猫中心だった。 モモの隔離生活の再開で再びリビング内での生活となった残りの猫たちは、いつもリビングの床に転々としていた。 猫密度が高くなり、且つ一室に閉じ込められては猫たちも不満が募るだろう。 運動不足にもなるだろうと、空間を最大限に利用するために大…
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アメショーブログ 4839『九匹の猫と生きた二十年』77

(10/2)  新たに始まった二匹の毎日数分間の散歩は、クーとジロだけの時間となった。 この時二匹がどんな会話をしていたのか、私には分からない。 しかし、クーとジロの絆はこれ以降強く結ばれていく。 ジロとタロとはまた違う絆である。 大らかで優しいジロは、いつしか誰からも頼られ愛され、一目置かれる存在となったのだろう…
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アメショーブログ 4838『九匹の猫と生きた二十年』76

(10/1)  反してジロは、玄関の外という新しい世界が嬉しくて家に入らない。 尻尾を直角に立てて、いそいそと歩き続けている。 私はジロのお尻を押して、家の中へと押し込んだ。 ジロは毎度、少し残念そうに家の中へと戻ったものだ。 三世帯家族となったクー一族だが、ドン・クーとジロの関わりはそれまでさして無かった。 ジ…
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アメショーブログ 4837『九匹の猫と生きた二十年』75

(9/30)  猫が特権意識を持つのかどうかは分からない。 ジロが北側の部屋へ参入できるようになった頃から、クーだけの特権であった玄関外の散歩にもジロが加わった。 モモの一回目の隔離生活を開始した頃から始まった、クーの散歩タイムである。 私が外出する時に玄関のドアを開けると、毎回見送りをするクーは外の世界に興味を示すよう…
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アメショーブログ 4836『九匹の猫と生きた二十年』74

(9/29)  女帝モモが二度目の子離れを開始して、我が家は再びリビングのドアを閉鎖する日々が始まった。 モモとウミの出産期間中、ドアは解放されて一族は家中を自由に行き来していた。 一度自由を与えられると、再びの閉鎖生活は猫たちにとっては心地良くないらしい。 閉め切られたドアの前で、廊下の向こうの北側の部屋を眺める猫たち…
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アメショーブログ 4835『九匹の猫て生きた二十年』73

(9/28)  ジロとタロは相変わらずの引っ付きブラザーズだった。 ジロを見れば、いつも隣にタロがいた。 長い年月、玄関の前に設置されただんごベッドはジロとタロの専用だった。 たまに我が家を訪れるジロが大好きな私の友人との時間も、ジロには至福の時だったと思う。 友人が帰る時は毎度寂しそうなジロだったが、すかさずタロ…
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アメショーブログ 4834『九匹の猫と生きた二十年』72

(9/27)  再度の子離れをしたモモに代わり、コジロに多くの愛を注いだのはやはりウミだった。 前回の四匹の子ども達同様に、ウミはコジロと、そして自分の子どものチビタを分け隔てなく可愛がった。 出産時には臆病な性格があからさまになったウミだが、フレンドリーで愛情深い性格にはみんなが助けられた。  飼い慣らされた猫…
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アメショーブログ 4833『九匹の猫と生きた二十年』71

(9/26)  モモとウミの同時出産を機に解放されたリビングのドアは、モモの子離れ開始によって再び閉鎖しなければならなくなった。 約七カ月間、家中好きな場所で自由に過ごしていた一族は、またリビングに限定された生活を送ることになった。 かわいそうなのはコジロだった。 威嚇されてもモモの側に寄り添おうとした。 毎回…
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アメショーブログ 4832『九匹の猫と生きた二十年』70

(9/25)  二度目の出産を終えた直後のモモは、前回と同様に良き母親だった。 モモの仔猫の内、ランボーは酒屋さんの子となり巣立って行った。 活発で大柄なランボーに不安はなかった。 ましてや行き先は、よく知った酒屋さんである。 配達のたびに、その様子も知らせてくれる。 健やかに幸せに過ごしていると分かった。 …
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アメショーブログ 4831『九匹の猫と生きた二十年』69

(9/24)  キッチンの中で猫缶を開けると、大合唱が始まるのも相変わらずだった。 まず四匹の皿をキッチンの床に並べ、三つの皿を持ってキッチンを出る。 入れ違いにジロ・タロ・ハル・ハナがキッチンの中に入る。 私はクーの名を呼びながら窓際へと誘導する。 モモとウミは所定の場所で待っている。 待っていれば皿が運ばれて…
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アメショーブログ 4830『九匹の猫と生きた二十年』68

(9/23)  コジロもチビタも既に離乳していた。 九匹となったクー一族の毎度の食事は大仕事だった。 食事の場所も、コジロとチビタはケージの中と決めた。 食欲旺盛な他の一族の中で、一緒に食べさせるわけにはいかない。 仔猫たちはまだ、自分のペースでしっかりと食べさせなければならないのだ。 一旦隔離生活を経験したモモ…
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アメショーブログ 4829『九匹の猫と生きた二十年』67

(9/22)  帰宅した私と仔猫を、夫と娘とクー一族は出迎えた。 駅から自宅へ向かう道中、仔猫を連れ戻し帰宅することは電話で報告済みだった。 「よくこんな無茶を」 夫は苦笑した。 「無茶で強引。お店にはよくお詫びしてきた。でもこれで良かったんだよ」 私は答えながら、キャリーをリビングの真ん中で開けた。 仔猫…
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アメショーブログ 4828『九匹の猫と生きた二十年』66

(9/21)  私の心の声が聞こえたのだろうか。 仔猫は格闘をやめて私を見た。 先刻、店のカウンターの上で訴えるように私を見つめていたその瞳を、私はしっかりと受け止めた。 仔猫は視線を外さない。 「ごめんね。迎えに来たよ!」 私はケースに近寄り、声に出して言った。 仔猫はアクリルケースをガリガリと引っ掻いた…
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アメショーブログ 4827『九匹の猫と生きた二十年』65

(9/20)  電車を二駅乗り継いで下車した私は、改札を抜けて街中を走りだした。 六時間前に仔猫と共に歩いた道のりだが、その時は景色も違って見えた。 否、仔猫と共に歩いた時は景色など目にも入っていなかったのだ。 あの子にまた会える、あの子と共に暮らせる・・・。 私は歓びを炸裂させて走り続けた。 ビルのエスカレータ…
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アメショーブログ 4826『九匹の猫と生きた二十年』64

(9/19)  私の中の思いは、受話器の向こうの女性に伝わったのだろうか。 女性はしばらくお待ちくださいと言って、受話器を保留にした。 恐らくオーナーと相談したのだろう。 私は祈る思いで携帯を握っていた。 オーナーが了承すれば、仔猫は我が家に戻る。 ぎりぎりになっての強引な要望だ。 私には、二年前に四匹の仔…
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アメショーブログ 4825『九匹の猫と生きた二十年』63

(9/18)  スーパーのカゴの中の食品を全部戻して、私は駅へと向かった。 歩きながらペットショップに電話をかけた。 腕時計の針は、午後五時半になっていた。 受話器の向こうの女性に名乗り、何度も謝罪しながら仔猫を取り戻す旨をお願いした。 無茶は承知の上だったが、今を逃したら二度と仔猫に会うことはできない。 到底取…
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アメショーブログ 4824『九匹の猫と生きた二十年』62

(9/17) 「何であの子だけ・・・。かわいそうだよ」 「仕方ないよ」 「あの子の行く末も分からない。生きているのか死んでいるのかすら、私たちは知ることもできない」 私はまくし立てた。 「モモのもう一匹の仔猫の行き先がなくなって、うちで育てるしかないかもしれないのに。 何であの子だけペットショップに行かなきゃなら…
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アメショーブログ 4823『九匹の猫と生きた二十年』61

(9/16)  友人と別れた私は、夕食の買い物をするためにスーパーに寄った。 しかし何も食べる気にならず、何を買う気にもならなかった。 かつて四匹の仔猫たちを譲渡する直前の事を思い出した。 映画・南極物語を観ていた時の心模様が蘇った。 しかしあの時とは状況が違う。 既に仔猫はペットショップに置いてきたのだ。 …
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アメショーブログ 4822『九匹の猫と生きた二十年』60

(9/15)  私は、カウンターに置かれた生まれたばかりのモモのことを思い出していた。 その姿に、先刻置いてきた仔猫が重なる。 カウンターに並んだモモともう一匹の姉妹を前に、同伴した彼女はもう一匹の方を選んだ。 しかし私はモモを指名して、我が家に連れて来たのだ。  私は運ばれてきたコーヒーを一口啜った。 味など何…
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アメショーブログ 4821『九匹の猫と生きた二十年』59

(9/14)  私は気を紛らわそうと、友人を呼びだした。 ジロが大好きな友人だ。 彼女はほどなく現れ、私たちは馴染みの喫茶店に入った。 「別れは辛いね」 私の情けない顔を見て、彼女は言った。 「今日の夜にはあの店から他の店に移されるんだって」 「そうなの。あの店に置かれるわけじゃなかったのね」 彼女は少し驚い…
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アメショーブログ 4820『九匹の猫と生きた二十年』58

(9/13)  数回のコール音の後に、受話器の向こうで女性の声がした。 先ほどカウンターにいた女性だろうか。 「今日そちらにアメリカンショートヘアーの仔猫をお譲りした者ですが」 私は発した言葉に我ながらげんなりした。 だから何だというのか・・・。 「ありがとうございます」 電話の女性は丁寧に応対してくれた。 …
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アメショーブログ 4819『九匹の猫と生きた二十年』57

(9/12)  駅へと向かう道中、私の目から涙が溢れ出た。 電車に乗っても涙は止まらず、窓際に立って外を向いた。 つい先刻仔猫と共に乗った電車に一人揺られながら、五月晴れの空を眺めた。 青い空、爽やかな風・・・。 仔猫と共に感じた全てのものを、もう二度と共有することはない。 私の決断は、仔猫を幸せにするのだろうか…
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アメショーブログ 4818『九匹の猫と生きた二十年』56

(9/11)  連れてきた仔猫は、このケースの外側から誰かに見初められるのだろうか。 かつて娘がクーを選んだように。 どうか良い人に選ばれて欲しい、幸せになって欲しいと心の中で祈りながら、私はカウンターの上にキャリーを置いた。 キャリーから出てきた仔猫は、店のカウンターに立って私を見た。 訴えるような強い眼差しを私…
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アメショーブログ 4817『九匹の猫と生きた二十年』55

(9/10)  ペットショップは自宅から電車で二駅の場所にあった。 仔猫にとっては外の世界も他の人間も電車も初めてのことばかりだ。 駅への道のり、そして電車の中でも仔猫は泣くことはなかった。 しかし車中では、キャリーの蓋に頭突きを繰り返した。 ここから出せと言わんばかりに。 下車して街中を七分ほど歩いたが、その道…
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アメショーブログ 4816『九匹の猫と生きた二十年』54

(9/9)  朝のごはんは、仔猫の大好きなレトルトをたくさん与えた。 我が家で食べる最後の食事だ。 好きなだけ食べさせてやりたかった。 モモの仔猫のうち、一匹は酒屋さん、そしてもう一匹は我が家の子となる可能性が大きい。 たとえ不測の事態だとしても、ウミの仔猫だけがペットショップ行きという展開に、私は納得できない思い…
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アメショーブログ 4815『九匹の猫と生きた二十年』53

(9/8)  ウミの仔猫をペットショップに譲渡する日の朝を迎えた。 モモの残された仔猫の行き先は決まらないままだった。 前日の電話で白紙となって、私には成す術がなかった。 もはや友人、知人の中で里親を探すことはできないと分かっていた。 残された一匹は我が家の子として育てることを、私は考え始めていた。 それしか方法…
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アメショーブログ 4814『九匹の猫と生きた二十年』52

(9/7)  私は娘の友人のお母さんに告げなければならなかった。 「末のお嬢さんが猫アレルギーと分かった以上、仔猫をお譲りすることは控えたいと思います。とても残念ですが」 彼女は電話の向こうで、落胆しながらも同意した。 仔猫と共に暮らす生活を、本当に心待ちにしていたのだ。 しかし健康には代えられない。 当然の結論…
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アメショーブログ 4813『九匹の猫と生きた二十年』51

(9/6)  娘の友人のお母さんから電話があったのは、仔猫の受け渡し予定日の前日のことだった。 そのご家庭は四人兄弟姉妹で、娘の友人は三番目の女の子だった。 一番末の女の子は小学生の低学年だったが、念のために病院で検査した結果猫アレルギーと判明したのだ。 どうしましょう、とお母さんは困った声で相談の電話をしてきたのだ。 …
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アメショーブログ 4812『九匹の猫と生きた二十年』50

(9/5)  ランボーが抜け、二匹となった仔猫は付かず離れずの距離で過ごした。 かつてのジロとタロのような関係にはならなかった。 結果として九匹の一族と共に過ごすことになるのだが、ジロとタロのような一心同体の関係は稀なものだったのだと改めて思う。  母親の違う兄弟となった二匹だが、先に生まれたモモの末っ子はまるで弟の…
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アメショーブログ 4811『九匹の猫と生きた二十年』49

(9/4)  私はかつて仔猫たちを譲渡するはずだったペットショップに連絡を入れた。 ウミの仔猫だけをペットショップに託すのは断腸の思いだった。 しかし、もう選択の余地はなかった。 オーナーは、人気の高いアメリカンショートヘアの仔猫ならと喜んで応じてくれた。 既に生後三カ月を経過していた。 すぐにでも店頭にお持ち下…
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アメショーブログ 4810『九匹の猫と生きた二十年』48

(9/3)  約束の生後三カ月が過ぎた晴れた日、酒屋のお兄さんが新調したキャリーを持ってランボーを引き取り来た。 「大切に育てます。本当にありがとうございました」 そう言って酒屋のお兄さんは、ビールとジュースのケースをお礼にと置いていった。 一族総出でランボーを玄関で見送った。 仔猫の初めての巣立ちに寂しさを拭うこ…
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アメショーブログ 4809『九匹の猫と生きた二十年』47

(9/2)   ウミの産んだ仔猫の里親だけは、私の楽観に反して見つからなかった。 当たりを付けていた三人の知人たちが、揃って断ってきたのだ。 かかりつけの動物病院にも、里親探しをお願いした。 病院の掲示板には、たくさんの猫たちの写真と共に里親を募る貼り紙があった。 里親探しは縁ではあるものの、待機数の多さに驚いた。…
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アメショーブログ 4808『九匹の猫と生きた二十年』46

(9/1)  酒屋のお兄さんが配達にやって来た。 猫を引き取る準備は既にできていると、嬉しそうに話した。 モモの産んだ二匹の仔猫を比較検討した彼は、身体の大きな仔猫を貰い受けたいと私に告げた。 私は承知して、残りの一匹を娘の友人宅に譲ることにした。 酒屋のお兄さんは、既に仔猫の名前を決めていた。 我が家に来るたび…
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アメショーブログ 4807『九匹の猫と生きた二十年』45

(8/31)  ウミが産んだ仔猫の里親探しは難航した。 私のサークル仲間の一人が猫好きなので声をかけたが、住宅事情で猫が飼えないと残念そうに断ってきた。 サークル仲間にはまだ猫好きがいる。 現在猫を飼っている人もいた。 それぞれに声をかけたが、答えは芳しくなかった。 猫好きが周囲にたくさんいたので里親探しは安心し…
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アメショーブログ 4806『九匹の猫と生きた二十年』44

(8/30)  モモの子育ては順調で、鬼母の影はどこにもなかった。 ウミも出産直後は取り乱したが、その後はしっかりと仔猫を世話した。 モモの二匹の仔猫には体格差があり、昔のジロとタロのようだった。 ウミの仔猫は二週間遅れで生まれたが育ちが良く、モモの仔猫と大差ない体格をしていた。 ケージから出たモモとウミの仔猫たち…
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アメショーブログ 4805『九匹の猫と生きた二十年』43

(8/29)  前後二週間の間隔でモモとウミの出産となり、我が家は総勢十匹の猫屋敷となった。 三世代のクー一族の、騒がしい日々の始まりだった。 生まれたばかりの仔猫たちにはモモとウミがいる。 ちゃんと授乳し、片時も離れず世話をする母親がいるのだから、私は何もすることはなかった。 残りの一族は、ケージ内の仔猫たちに興…
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アメショーブログ 4804『九匹の猫と生きた二十年』42

(8/28)  二〇〇四年・二月下旬。 ウミが出産した。 生まれた仔猫は一匹の雄猫だった。 モモと比較しても大して大きくならなかったウミのお腹の中は、やはり一匹しか育っていなかったということだ。 出産に際して、ウミの性格があからさまになった。 初めての出産に怯える姿がありありと分かった。 ケージの外側から、…
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