アメショーブログ 4807『九匹の猫と生きた二十年』45

(8/31)  ウミが産んだ仔猫の里親探しは難航した。 私のサークル仲間の一人が猫好きなので声をかけたが、住宅事情で猫が飼えないと残念そうに断ってきた。 サークル仲間にはまだ猫好きがいる。 現在猫を飼っている人もいた。 それぞれに声をかけたが、答えは芳しくなかった。 猫好きが周囲にたくさんいたので里親探しは安心し…
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アメショーブログ 4806『九匹の猫と生きた二十年』44

(8/30)  モモの子育ては順調で、鬼母の影はどこにもなかった。 ウミも出産直後は取り乱したが、その後はしっかりと仔猫を世話した。 モモの二匹の仔猫には体格差があり、昔のジロとタロのようだった。 ウミの仔猫は二週間遅れで生まれたが育ちが良く、モモの仔猫と大差ない体格をしていた。 ケージから出たモモとウミの仔猫たち…
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アメショーブログ 4805『九匹の猫と生きた二十年』43

(8/29)  前後二週間の間隔でモモとウミの出産となり、我が家は総勢十匹の猫屋敷となった。 三世代のクー一族の、騒がしい日々の始まりだった。 生まれたばかりの仔猫たちにはモモとウミがいる。 ちゃんと授乳し、片時も離れず世話をする母親がいるのだから、私は何もすることはなかった。 残りの一族は、ケージ内の仔猫たちに興…
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アメショーブログ 4804『九匹の猫と生きた二十年』42

(8/28)  二〇〇四年・二月下旬。 ウミが出産した。 生まれた仔猫は一匹の雄猫だった。 モモと比較しても大して大きくならなかったウミのお腹の中は、やはり一匹しか育っていなかったということだ。 出産に際して、ウミの性格があからさまになった。 初めての出産に怯える姿がありありと分かった。 ケージの外側から、…
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アメショーブログ 4803『九匹の猫と生きた二十年』41

(8/27)  二〇〇四年・二月初旬。 まずモモが出産した。 既に経験のあるモモは、貫録の出産だった。 私も段取りは分かっていたので、安心して出産に備えることができた。 生まれた仔猫は二匹の雄猫だった。 モモは前回同様ケージ内のベッドに仁王立ちになり、一匹ずつ産み落としていった。 コロンと転げ出た仔猫を、モ…
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アメショーブログ 4802『九匹の猫と生きた二十年』40

(8/26)  猫の妊娠と出産は既にモモの時に経験済みだった。 しかし二匹同時の妊娠は初めてだ。 二匹のお腹が大きくなり、出産の時期が近付く頃、ケージを二つ用意した。 リビングの西の壁と南の壁にケージを置いて段ボールで囲い、モモとウミがそれぞれ単独で過ごせる場所を作った。 モモもケージの中に隔離されていれば安心のよ…
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アメショーブログ 4801『九匹の猫と生きた二十年』39

(8/25)  人間の考えは、動物の生態には通用しないと思い知った。 慌ててジロとタロを同時に去勢したが、間もなくモモ、そしてウミが妊娠していることが判明した。 総勢七匹のクー一族だ。 これ以上増えることは考えてもいなかった。 二カ月後に生まれてくる仔猫たちの、里親を探さなければならなかった。 ペットショップへの…
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アメショーブログ 4800『九匹の猫と生きた二十年』38

(8/24)  モモの子どもたちが生まれて二年経過した頃だった。 去勢をするなら雄の方が簡単に済む。 ジロとタロを去勢しようと考えていた。 クーは既に去勢済みだった。 そろそろ病院に、と考えていた時にモモとウミが同時に発情した。 去勢を悠長に考えていた矢先、ジロがモモとウミの相手になってしまったのだ。 まさ…
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アメショーブログ 4799『九匹の猫と生きた二十年』37

(8/23)  北側の部屋には朝日しか入らない。 日の光は生命の活力であり、精神衛生にも欠かせない。 日中の一時間ほど、ウミと子どもたちをリビングの外に出して、モモをリビングに入れて日光浴の時間を作ることにした。 モモ以外のみんなは、いつも閉ざされたリビングの向こう側の世界に興味津々だった。 毎日一時間程度の入…
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アメショーブログ 4798『九匹の猫と生きた二十年』36

(8/22)  隔離生活が長くなるにつれて、モモはますます偏屈になっていった。 人間がうっかりリビングのドアを閉め忘れた際に、クー以外の誰かが北側の部屋を覗こうものなら大変だった。 威嚇の嵐が巻き起こる。 仔猫時代の愛くるしい瞳は消え去り、射るような視線を放つ。 その迫力に、誰もモモに近付くことはしなかった。 天…
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アメショーブログ 4797『九匹の猫と生きた二十年』35

(8/21)  おやつタイムでも、最後の一粒まで残って食べるのはクーだった。 食べることが生き甲斐と言えるクーの食べっぷりは、晩年まで衰えることはなかった。 キッチンのドアはスライド式の引き戸だった。 クーは器用に前脚を動かしてドアを開けることができた。 外出して帰宅すると、クーがキッチンの中のデニッシュパンを袋ご…
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アメショーブログ 4796『九匹の猫と生きた二十年』34

(8/20)  朝ごはんが済んで二時間ほど経過すると、誰かがおやつをねだる。 その声がきっかけで、また一族の大合唱が始まる。 おやつタイムは、リビング中央に新聞紙を敷いてカリカリを並べるのが習慣となった。 新聞紙を広げ始めると大合唱はピークに達して、六匹が尻尾を立てて新聞紙の前に集まるのだ。 北側の部屋で隔離生…
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アメショーブログ 4795『九匹の猫と生きた二十年』33

(8/19)  毎度のごはんは大騒ぎだ。 キッチンの中で皿を並べ始めると、一族の大合唱が始まる。 クー、モモ、ウミと、仔猫たちは食べる場所を分けなければならなかった。 食い意地の塊と化したクーは早食いで、自分の皿の中身を食べ終えると他の子たちの皿へと向かうからだ。 仔猫たちはキッチンの中、クーはキッチンから一番遠い…
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アメショーブログ 4794『九匹の猫と生きた二十年』32

(8/18)  総勢七匹となったクー一族との生活は、五つのトイレ掃除に明け暮れた。 頭数分トイレが必要だと思ったが、家中トイレで溢れることになるので、まめに掃除することで我慢してもらった。 朝目覚めると同時に全てのトイレを掃除する。 すると、綺麗になったトイレへ次々と猫たちが入っていく。 トイレの中に、誰かの排泄物…
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アメショーブログ 4793『九匹の猫と生きた二十年』31

(8/17)  ジロ、タロ、ハル、ハナが我が家に残ることになって半年ほど経過した頃だろうか。 モモに大きな変化が現れた。 子離れを開始したのだ。 産み落とした瞬間から完璧な母親だったモモは、四匹の仔猫たちと寄り添うことをやめた。 誰かが近寄ろうものなら、威嚇を繰り返して距離を保つ。 野生のライオンの母親が子離れす…
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アメショーブログ 4792『九匹の猫と生きた二十年』30

(8/16)  ハナは無愛想な子だった。 四匹で群がっていた仔猫時代があるのだから生まれつきではないと思うが、気付くと無愛想ではぐれものになっていた。 一匹だけ毛色が白いハナだったが、猫同士が色の違いで疎遠になることはないだろう。 ジロとタロがひっつきブラザーズとなり、姉妹のハルとハナも仲良く育っていくと思っていた。 …
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アメショーブログ 4791『九匹の猫と生きた二十年』29

(8/15)  タロは凝り性だった。 言葉を変えると、何に於いてもくどい。 たまにハルのお世話焼きをするのだが、くど過ぎて最後は必ずハルからパンチを食らっていた。 生涯の趣味となった水道観察も、流れる水道の水をいつまでも真剣に見つめ続けた。 毎朝洗面台に上り、洗顔の間中水を流せとねだる。 後年は脚が弱って洗面台に…
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アメショーブログ 4790『九匹の猫と生きた二十年』28

(8/14)  ハルは生まれつきの天真爛漫だった。 兄弟であるジロやタロとも仲良く過ごしたが、ハルのクーに対する愛情と信頼は絶対的なものだった。 後年、誰とでも寄り添い、誰にでも甘える子だったが、クーとのツーショットが一番多いのはハルだ。 また、人間に対する愛情表現も天真爛漫なハルらしいものだ。 私の腕枕で毎晩眠る…
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アメショーブログ 4789『九匹の猫と生きた二十年』27

(8/13)  ジロは私の友人が大好きだった。 彼女は綺麗な女性だった。 猫と人間の美しさの定義が同じかどうかは知らない。 しかしジロは、たまに友人が訪ねてくるたびに玄関でゴロニャンポーズで出迎えた。 クー一族のシンボルであるゴロニャンポーズは、四つ子の中ではジロが最初に習得した。 ジロは玄関先で友人の声を聞くと…
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アメショーブログ 4788『九匹の猫と生きた二十年』26

(8/12)  数カ月もすると、仔猫たちは自由自在に過ごした。 性格や相性が明確になったのもこの頃だ。 ジロとタロは、本当に仲良しだった。 いつでもどこでも一緒なのだ。 正確には、ジロの行く場所にはいつもタロがついていった。 四匹で群がっていた頃は、いつも舌を出して最後尾にへばりついていたタロだったが、ハルとハナ…
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アメショーブログ 4787『九匹の猫と生きた二十年』25

(8/11)  トイレの数も四つにした。 就寝時に全てのトイレを綺麗にしても、翌朝は飽和状態だった。 四つのトイレ掃除から、私の毎日は始まった。 クー、モモ、ウミには何の疑問もなくつけた首輪だったが、ジロ、タロ、ハル、ハナに首輪をつけることはやめた。 三匹だけでも首輪についている鈴は結構うるさい。 七匹が動くたび…
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アメショーブログ 4786『九匹の猫と生きた二十年』24

(8/10)  翌日の朝、私はペットショップに電話をかけて仔猫譲渡の話を白紙に戻した。 女の子の名前はハルとハナに決めた。 ようやく、名無しの四匹を名前で呼ぶことができたのだ。 胸にひっかかっていたつかえが取れたような、爽快な朝だった。  猫七匹と人間三人の生活は、数の上でもクー一族中心で日々が過ぎていった。 毎…
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アメショーブログ 4785『九匹の猫と生きた二十年』23

(8/9)  しかし私はまだ諦めるには早いと思った。 やるだけやって駄目なら、仔猫たちも赦してくれるだろう。 仔猫を母猫から早期に引き離す不憫さが、最大の理由だった。 しかしその時の私には、仔猫を譲渡することに賛成できないもう一つの理由があった。 エビちゃんの嫁入りが失敗に終わったから、モモを買ってきたのだ。 将…
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アメショーブログ 4784『九匹の猫と生きた二十年』22

(8/8)  ペットショップに仔猫を引き渡す時が近付いていた。 離乳は済んでいるものの、仔猫たちは頻繁にモモの懐へ潜り込む。 愛おしく、悲しい光景だった。  忘れもしない、その日は金曜日だった。 金曜ロードショーの『南極物語』を観ていた時のことだ。 私は段ボールの中で仔猫たちを遊ばせながら、心の中で何度も言葉を反芻し…
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アメショーブログ 4783『九匹の猫と生きた二十年』21

(8/7)  ペットフードを食べる頃には、仔猫たちは随分と活動的になっていた。 ケージから出してリビングで遊ばせる時間も増やした。 段ボールを分解して囲いを作り、その中で自由に動けるようにした。 囲わないと、どこまでも歩いてしまうのだ。 仔猫たちは段ボールに爪を立ててよじ登り、コロンと外側に落下して外界に出ることを…
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アメショーブログ 4782『九匹の猫と生きた二十年』20

(8/6)  四つ子の誰を残すかは決めかねたまま、仔猫たちには名前を付けずに過ごした。 我が家の子ではなくなるのだ。 名前を付けるわけにはいかなかった。 それに、その頃既に可愛くて仕方ないものを、ますます情が移って手放すことができなくなる。 クー、モモ、ウミと即座に名前を決めてきたが、初めて名無しの猫たちと過ごすこ…
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アメショーブログ 4781『九匹の猫と生きた二十年』19

(8/5)  実は、クーとモモの間に生まれた仔猫は、一匹を残してペットショップに譲ることになっていた。 我が家はブリーダーではないが、血統書付きのクーとモモの間の子どもなので、ペットショップのオーナーは大歓迎だった。 引き渡し時期は、生後一カ月半から二カ月と言われていた。 月齢が小さければ小さいほど、高く早く売れるという…
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アメショーブログ 4780『九匹の猫と生きた二十年』18

(8/4)  約一カ月間の授乳期を経て、四匹の仔猫たちに初めてペットフードを与えた時のことは今でも忘れない。 それまで母乳しか口にしなかった仔猫たちは、初めてのごはんを震えながら食べた。 新しく購入したお揃いの四つの皿にお湯でふやかしたフードを入れ、四匹の前に並べた。 等間隔に並んだ四匹が四匹とも、身体を震わせ、尻尾まで…
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アメショーブログ 4779『九匹の猫と生きた二十年』17

(8/3)  モモが一歳の誕生日を迎えて半年が経過した二〇〇二年・三月。 待望のクーとモモの子どもが生まれた。 ジロ・タロ・ハル・ハナの四つ子の誕生だ。 モモの妊娠後期からケージを作り、周りを段ボールで覆い、モモが安心して出産できるよう準備した。 もちろん猫の出産に立ち合うのは初めてのことだった。 誰の助けを借り…
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アメショーブログ 4778『九匹の猫と生きた二十年』16

(8/2)  ウミの参入により、人間と猫の比率は三対三となった。 クーとモモは変わらず仲良く、新たに加わった仔猫のウミを二匹は直ぐに受け入れた。 クーはもちろん、モモのウミへの愛情には感謝と驚きだった。 エビちゃんに最後まで受け入れてもらえなかったモモが、エビちゃんの子どもであるウミに深く大きな愛情を寄せたのだ。 …
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アメショーブログ 4777『九匹の猫と生きた二十年』15

(8/1)  まるで本当の親子のように仲睦まじいクーとモモだった。 モモを家族の一員に迎えたことに大きな歓びを感じながら、三人の人間と二匹の猫との暮らしは楽しく過ぎていった。  知人からエビちゃん出産の報を受けたのは、二〇〇一年・四月のことだった。 仔猫は三匹生まれ、一匹は我が家にくれるという知人の言葉に私は戸惑った。 …
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