アメショーブログ 4765『九匹の猫と生きた二十年』3

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 クーが我が家の一員となる数か月前、私は奇妙な体験をした。
駅から自宅へは、ほぼ一直線の道のりだった。

電車から降りた私は自宅へと歩いていた。
住宅街のその道は、日中も車通りは少ない一方通行の道だった。

私が左端を歩いていると、前方右側に綺麗なブラウンの毛色の猫がいた。
その猫は私を見続け、私が通り過ぎる瞬間も私の目を見つめていた。

何となく目を外せなくなった私は、通り過ぎても振り返りながらその猫を見ていた。
するとその猫は、私と並走するように道の右側を一緒に歩き始めたのだ。

「どうしたの?」
私は声をかけた。

何も言わずに猫は歩き続けた。
毛並も綺麗で、気品が漂う猫だった。

猫は歩くことをやめない。
私の目を見つめ続けていた。

何故だか分からないが、私は少し怖くなった。
歩調を少し早めたら、猫もスピードを合わせて小走りになった。

何も言わずに歩き続ける猫の妙に真剣な眼差しに、私は更に怖くなり走り出した。
すると猫も走り出した。

私は全力疾走で猫を振り切った。
三百メートルほど走り続けて曲がるべき道に到達した私は、猫が気になり振り返った。

ブラウンの身体が小さく見えた。
走る事をやめた猫は、その場から私を見つめ続けていた。

跳躍力の優れた猫だ。
走れないはずはなかった。
私の心の中の恐怖を感じ取り、私へ望む何かを諦めたのだ。

その猫は私に何を伝えたかったのだろう。
そして私は何故怖いと感じたのだろう。

 リビングで飛び跳ねるクーを見ながら、私はふいにそのブラウンの猫の事を思い出していた。

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この記事へのコメント

みるくっち
2019年07月20日 08:06
おはようございますo(*^▽^*)o~♪
その猫ちゃんきっとくーさんを監視してたんだと思います。
くーちゃんとその猫は何処かで通じていたのかも。
だからくーちゃんを任せようと監視してたんじゃないのでしょうか
くーさんちのこになりたいじゃなくて
くーちゃんを任せたい。
だと私は思いました。。。
2019年07月20日 10:32
こんにちは。

そのニャンコ、何か伝えたかったんですかね。
どうしてついてきたんでしょうか。
ほんと、なぜ怖いと思われたのか。
何か感じられたんですね。
くー
2019年07月20日 11:22
みるくっちさんへ。
ありがとうございます。
クーとブラウンの猫はどこかで繋がっていたのでしょうか。
猫は神秘的な生き物です。
人間には分からない、何かがあったのかもしれませんね。
不思議な体験でした。
くー
2019年07月20日 11:24
トトパパさんへ。
ありがとうございます。
何故私が怖いと感じたのかは、私自身にも分かりません。
ブラウンの猫の眼差しに、強い意思を感じました。
不思議な出来事でした。
2019年07月20日 16:47
こんにちは
ク一族
くーさん家族に前から
きっと繋がっていたかもね。
猫ちゃんの不思議(^^♪
くー
2019年07月20日 16:56
陸&クロさんへ。
ありがとうございます。
命の繋がりには、理解できない不思議なことがあるのかもしれません。
クー一族との生活は、用意されたものだったのでしょうか。
きらら
2019年07月20日 22:00
不思議な出来事でしたね!
やっぱり猫ちゃんとの生活を予言してたのかな…。
エルと出会ったときは そう言うことはなかったですよ(๑˃̵ᴗ˂̵)
くー
2019年07月20日 22:53
こららさんへ。
ありがとうございます。
不思議な出来事でした。
人間には分からない命の神秘は、たくさんあるのかもしれません。
エル君とは、確かお父様のお墓で出会ったのでしたね。
用意された必然的出会いだと思います。